ボルダリングで2級をどうしても落としたい。そんなクライマーへ。

ボルダリングでは、3級までが中級者、2級以上は上級者という扱いをされることが一般的です。どうせ3級まで来たなら、2級クライマーになりたいですよね!

3級と2級では、周囲からの見え方もかなり変わってくるでしょう。とはいえ、2級はそう簡単に登れるものではありません。

3級までは基本を忠実にやることでクリアできるような課題が設定されていました。しかし2級では、3級までで積み上げて来たことを、自分の体型に合わせて応用しなければなりません。

「ボルダリング2級に挑戦して、早一ヶ月。どうしても結果が出ない……」

そんな悩みを抱えているクライマーの人に、ヒントとなるような情報をお届けします。

ボルダリングで2級をどうしても落としたい。そんなクライマーへ。

リーチが足りない? 距離出しのコツ

ボルダリングの2級は、上級者の域。では、上級者はこれまでと何が違うのでしょうか。

2級になったからといって、新しいムーブが増えることはありません。3級までにやってきたムーブを駆使して、「3級よりも少し持ちが悪い」「3級よりも少し距離が遠い」、そんな課題を登って行くのが2級です。

ここでは、届きそうで届かないホールドを取るための、距離出しのコツをおさらいしましょう。

(1)体をしっかりと引く
体と壁の間には、極力隙間がないようにしましょう。なるべく腕を直線に保ちます。そのためには、どんなに傾斜があっても、腕を引き付ける力が必要です。例えば右手でガストン(親指を下にした掴み方)、左手で次のホールドをとりに行く場合、右手で体を引き付けておく力が必要ですよね。

(2)勢いをつける
勢いをつけることで距離が出ます。しかし、勢いよくつかんだ先のホールドの持ち具合が悪いのも、2級の特徴です。止めるためには、体幹を鍛えて振られにくくすること。指の力を鍛えることが必要です。

体が剥がれてしまうなら……

傾斜がきつかったり、持ちづらいホールドが続くと、体が剥がれてしまいがちですよね。いいところまで行ったのにずるずると落ちてしまうのは勿体無い!

ここで積極的に使いたいのは足です。下半身を使って、上半身が振られないように固定するのです。トゥーフックやヒールフックをこれまで練習してこなかった人は、少してこずるかもしれませんが、持ち替えの時には必ず必要になるでしょう。

オブザベーションの時点で、体が振られてしまいそうなポイントに目星をつけ、どのようにして体を支えるか、イメージしてからトライするようにしましょう。

傾斜に関係なく体が剥がれてしまう時は、がに股に開いた足をより壁に近づけるというのも一つの手です。膝が内側に入ってしまわないよう、柔軟性を高めて置きましょう。

ボルダリングで2級をどうしても落としたい。そんなクライマーへ。

2級を登れないクライマーがやってしまいがちなこと

2級になると保持力が必要になります。保持力がないまま登ると余裕がなくなり、ムーブの正確性が下がります。すると、体を使って引き寄せたりできなくなります。

ムーブの正確性が低い人は、保持以外にも問題があります。3級まではムーブを繰り出しやすいホールドだったものが、急にかかりが悪くなります。どんな状況でもムーブが繰り出せるレベルまで動きを磨く必要があるのです。

また、課題によりますが、壁に入ることも非常に重要になります。2級が登れない人は、壁に入りきれていない場合があります。

ボルダリング2級のイメトレに役立つ動画

【2級のイメトレ動画その1】

【0:10】 ヒールがしっかりかかっていますね。コツは、ヒールをしっかり立てています。ただヒールを引っ掛けるだけではなく、ヒールを乗せた後に、グッと壁側に押し込んでいるんです。こうすることで、体が持ち上がります。

【0:19】 このホールドは結構持ちにくいです。大きめのサイズの持ちにくいホールドは、少し探って、持てるポイントを探しましょう。

【0:24】 壁に入った状態で、距離出しをしています。まずは右手でしっかり引きつけ、体がぶれないように固めるのがポイント。少し遠くの位置にあるホールドを取るときに勢いを出しがちですが、勢い余って体が離れてしまうので、極力固めるようにしましょう。

 

【2級のイメトレ動画その2】

【0:06】 左手に注目。体の位置を変えたことで、持ち方をプッシュに変えています。

【0:19】 遠くにあるホールドを取る時は、立ち上がることを意識しましょう。ランジのように飛びつきすぎると、体が安定しません。0:19の時点で、左足にしっかりと乗り、立ち上がれていますよね。体のブレを最低限に抑えました。

【0:35】 左手でラップ持ちをしました。そもそもこのホールドは、サイドでしか守れません。右手で持っている段階でしっかりと内側にはいってから、左手を添えました。フラッキングをし、体の重心ごと左側にかけました。体重がかかりやすくなり、安定した動きができていますね。

体験談インタビュー:はじめて2級を登った日のこと

ここで、実際に2級を登った経験を持つクライマーの経験談をご紹介します。

お話を伺ったのは、岩崎晋平さん(27)。インタビュアーは筆者が務めます。

ー ボルダリングを始めたきっかけは?

「僕はボルダリングを一番最初にやったのは、2年半くらい前のことでした。好きな女の子がボルダリングに誘ってくれたので。その時はデートのツールくらいにしか思っていなかったですね(笑)。実際そこまでハマらなくて。僕が本格的にボルダリングをはじめたのは、ちょうど1年くらい前でした。仕事を辞めたのをきっかけに、暇だったのでボルダリングに通うようになったんです。そしたら優しい店員さんが登り方を教えてくれて、それまでは登れなかった5級や4級をサクサク登れるようになったんです。なんて楽しいスポーツなんだ! と思って、毎日通うになりました。」

ー 本格的に練習を始めてからは、どのくらいの期間で2級を登れるようになりましたか?

「およそ半年です。本格的に始めたのは6月くらい、2級を登れたのは、12月くらいでした。これがその時の動画です!」

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エリア入ってすぐの傾斜壁2級! ルーフに左手でとりに行くときの左足ヒールが意外と難しい! これも常連さんに教えてもらいました! この課題できるようになってからヒールの使い方がわかるようになってきました! これも成長させてくれた思い出課題なのでのせました! #クライミング #ボルダリング #グラビティリサーチ銀座 #2級 #参考動画 #思い出課題 #ヒールフック #トウフック #ルーフ #climbing #bouldering

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ー 早いですね! なぜ早いスピードで2級を登れたのでしょうか。

「まずはできそうな2級を探しました。どうしても2級を登りたかったので(笑)。いろんな人にムーブを教えてもらいながら、何回も登りました。登れた時は、すごく嬉しかったです。登ったジムは、銀座にあるグラビティリサーチというお店です。傾斜の強い壁でした。ヒールフックを結構使うような課題だったんですけど、この課題の練習を通して、習得できたような気がしています。」

ー すごい。読者の皆さんにメッセージをください。

「2級となったら簡単には落とせないですよね。何回も打ち込んでいれば、苦手なところが徐々に克服されて、登れるようになります。頑張りましょう!」

ー ありがとうございました!

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