3級・4級の壁を乗り越えろ! ボルダリング初心者が上達するためのトレーニングとは?

ボルダリングを始めて、グレード(難易度)が7級から6級、5級まで登れるようになった頃、「よし、4級やってみるか!」と、チャレンジしてみたところ……。

「え!? こんなに難しいの!?」と壁にぶつかることがよくあります。ジムにもよりますが、4級からだんだんと掴みにくいホールドが増え、筋力やクライミングのテクニックが必要になってきます。

「とはいえそんなに頻繁にボルダリングジムに行けないし……」と思うべからず! ボルダリングジムだけではなく、自宅でもできるトレーニングがあります! 今回は、初心者が「4級の壁」を超えるためのトレーニングをご紹介します。

3級・4級の壁を乗り越えろ! ボルダリング初心者が上達するためのトレーニングとは?

ボルダリング初心者に足りないのは腕の力? 持久力? 体幹?

ボルダリングで壁を登るときに、足を意識せず手だけに集中して登っていませんか? 登るとすぐに前腕が疲れてしまう、という人はボルダリングで重要な筋肉や体の部位を使えていません。上級者ほど「背中」や「足」など、腕よりも力が強い大きな筋肉を使って登っています。

ボルダリング初心者の人にありがちなことが、3つあります。

1つ目は、次の一手を探すのに必死で、思わず掴んでいるホールドに力が入ってしまうことです。中級者や上級者になると、力を抜くタイミングが分かっているので、必要以上に力を使わずに登ることができるのですが、初心者の場合は全てのムーブのときに腕に力が入ってしまい、パンプ=体力が続かず落ちてしまいます。

2つ目は、課題を登るイメージができていないことです。上級者になればなるほど、完登までのムーブが頭の中で完成するのですが、初心者の場合は、次の一手が覚えることができずに登りながら探します。そうなると、次の一手を探している間に、ホールドを掴んでいる手がパンプしてしまい、落ちてしまうのです。

3つ目は、身体が振られたときに踏ん張ることができずに落ちてしまうことです。中級者、上級者にもなれば身体の体幹をうまく使うことができるようになるので、身体が振られても体幹でグッと耐えることができるのですが、初心者の場合は体幹をうまく使うことができずに落ちてしまうことがあるのです。

背中や足の力を使って登るためには、その体制をとるための「ムーブ」といわれるボルダリングの動きと、その動きを支える「体幹」、そしてホールドを掴んで維持するための「指の保持力」や「腕の力」も必要になってきますので、バランスよくトレーニングすることが重要です。

3級・4級の壁を乗り越えろ! ボルダリング初心者が上達するためのトレーニングとは?

ボルダリングジムでやろう! 初心者のトレーニング方法①:ボルダリングの基本ムーブを体得する

ボルダリングの「ムーブ」の中でも、ボルダリング上級者ができていて初心者ができていないものが「ダイアゴナル」という基本的な動きになります。このムーブはどのような課題でも汎用性が高く使い勝手も良いので、ぜひジムに行った際のウォーミングアップとクーリングダウンの際のトレーニングとして取り入れてみましょう。

基本ムーブ①:ダイアゴナル

ダイアゴナルというのは、ボルダリングのムーブをする上で基本となる動きのことをいいます。

どんなときに使うかというと、例えば今いる位置から右上のホールドを右手で取りにいこうとします。

そのときに右手を出すとどうしてもバランスが崩れてしまう……というときに、このダイアゴナルが使えるのです。

初心者の人にありがちな落ち方が、次の一手を取りに行こうとしたとき、バランスを崩してしまうことです。

中級者にもなると、このダイアゴナルをマスターしているので、バランスを保ちながら動くことができるのですが、初心者のときはどんな動きをするとバランスが悪くなるのかが分からないため、バランスを崩しやすいのです。

脱初心者を目指している人は、このダイアゴナルをマスターすると、登れるグレードがUPしやすいでしょう。

実際に「ダイアゴナル」ムーブの練習をする際は、掴みやすいホールド(「ガバ」ホールド)を使ってやってみましょう。動きの流れは下記の通りとなります。

1.取りたい次のホールド側とは逆の手の真下あたりに、取りたい次のホールド側の足を置き重心を乗せる。
2.取りたいホールド側の腰を壁に近づけるようにねじり、取りたいホールド側の手を伸ばす。※その際、手で引き上げるのではなく、足で踏み込んで手を伸ばす。
3.ホールドを掴んだら、ホールドを掴んだ場所の真下あたりに次に取りたいホールド側の足(1とは逆の足)を置き重心を乗せる。
4.2の動作と同様。

ボルダリングジムに行けば必ずやっている人がいるので、その動きを観察して真似してみましょう。

基本ムーブ②:足の入れ替え

中級・上級課題にもなると、足の入れ替えがどれだけスムーズにできるかで、完登できるかどうかにも関わってきます。実際にどんなときに使えるのかというと、右手で右上のホールドを取りにいくとき、足のホールドには左足が乗っている状態のときです。
左足から右足に入れ替えをすることで、身体のバランスを保つことができ、また先ほどご紹介したダイアゴナルを取り入れることで、スムーズに右手で右上のホールドを取りに行くことができるようになりますよ。

実際に「足の入れ替え」ムーブの練習をするときは、大きいホールドから初めて、徐々に小さいホールドを使うようにしていくと良いでしょう。

動きの流れは下記の通りにとなります。
1.両手でつかみやすいホールドを掴みます。
2.足を置くホールドを1つ決めて、左足を載せましょう。
3.スムーズな動きを意識しながら、左足から右足へ入れ替えをしましょう。
4.小さいホールドのときは、足がずり落ちないように意識すると良いですよ。

3級・4級の壁を乗り越えろ!ボルダリング初心者が上達するためのトレーニングとは?

基本ムーブ③:足のホールドにはつま先を置く

足のホールドに足を置くとき、初心者のほとんどが土踏まず部分で乗ることが多いです。

しかし一刻も早く上達をしたい! という人は、足のホールドに足を置くときは、つま先部分(親指付近)を置くようにしましょう。

なぜかというと、土踏まず部分をホールドに置いてしまうと、どうしてもバランスが悪くなること&手に余計な負担をかけてしまうのです。

中級者や上級者の人たちの登りを見ると、つま先以外をホールドにのせている人は、ヒールなどの特殊なムーブを覗いては全く見当たらないと思います。

それほど、つま先をホールドに置くことで身体のバランスが保ちやすくなり、次のムーブに繋げやすくなるのです。

実際に「足のホールドにつま先を置く」ムーブを練習するときは、ご自身がトライしている課題で行なうようにしましょう。

つま先を置くポイントは下記の通りになります。
1.課題をトライするときに、一つ一つのムーブで足の位置を確認しましょう。
2.気を抜くと、土踏まず部分を置いていることがありますので、その都度つま先を置くように修正します。
※何度も繰り返し行なうことで、身体が覚えてきます。根気強く練習してくださいね。

ボルダリングジムでやろう! 初心者のトレーニング方法②:キャンパスボードで体幹と指の保持力を鍛える

基本のムーブが理解できたら、次にムーブを起こす上で必要になる体幹と指の保持力を鍛えるためのトレーニングをやっていきましょう。

多くのボルダリングジムには「キャンパスボード」と呼ばれる少し前傾した壁に木の板切れが何枚か取り付けてあるシンプルなトレーニングをするための壁があります。この壁は上級者用だと思われていますが、初心者が体幹や指の保持力を鍛えるためにもうってつけの壁です。

登る前の元気な状態で、キャンパスボードに取り付けられている木の板に両手でぶら下がってみましょう。この時指は握るのではなく、できるだけ伸ばして「オープンハンド」でぶら下がります。

足を浮かせて1回あたり10秒間実施し、これを10回繰り返すだけです。ぶら下がる際には体が前後に振られないように体の軸を意識してぶら下がりましょう。これだけでも初心者の頃に必要な指の保持力と体幹を鍛えることができます。3級・4級の壁を乗り越えろ! ボルダリング初心者が上達するためのトレーニングとは?

家庭でやろう! ボルダリング初心者の自宅トレーニング方法①:腹筋ローラーで体幹を鍛える

「忙しくて頻繁にはボルダリングのジムに通えない」という人も多いと思います。そのような時は自宅でできる簡単なトレーニングで体幹や指の保持力を鍛えましょう。

まずは体幹です。巷には体幹トレーニングの本なども数多くでていますので、そういったものを参考にトレーニングをしても良いかなと思いますが、忙しい人にとっては「中々続かない」ということもあると思います。

そのような人にはトレーニングも良いですが、道具を使って効率的に鍛えることをお勧めします。お勧めなのが腹筋ローラーです。その名の通り腹筋を鍛えるための道具ですが、体幹を鍛えるのにも非常に効果があります。

やり方は至ってシンプルで、ローラーに取り付けてあるレバーを持って、最初のうちは膝をついてローラーと膝だけで体を浮かせて前後運動をします。この時腕は曲げずに伸ばした状態でやるのがポイントです。

すべてのトレーニングに言えますが、やりすぎるとどこかを痛めたりするので、最初のうちは5回程度の適度な回数で始めてみましょう。

家庭でやろう! ボルダリング初心者の自宅トレーニング方法②:トレーニンググッズで指の保持力を鍛える

次に指の保持力ですが、こちらも家で鍛えようと思うとなかなか難しいです。上級者のなかにはフィンガーボードと呼ばれるものを家に取り付けて鍛える人もいますが、取り付けの手間や家のことを考えると簡単にはできません。

そこで今回お勧めしたいのは、フィンガーグリップとパワーボールというトレーニンググッズです。

握力を鍛えるためのハンドグリッパーとは違いフィンガーグリップには押す部分が4つあり、人差し指から小指までをそれぞれの部分に合せて持つことができるので、指の力を鍛えることができます。特に日ごろはあまり意識しない小指も鍛えることができます。

次にパワーボールですが、パワーボールという球体を握って手首を回すことによって、ボールの中にある小さなボールが遠心力によって回転し激しく動くトレーニンググッズです。動きを維持して回転させ続けることによって、ボルダリングで重要な指でものを掴む力(ピンチ力)だけでなく、手首や腕回り全体を鍛えることができます。

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自宅トレーニングの強い味方! ボルダリングトレーニンググッズ

ここまででトレーニンググッズをいくつか紹介してきたので、その中でもそれぞれでお勧めの商品を紹介します。

【腹筋ローラー】
■ローリングマッチョ
https://rmacho.com/

名前は微妙ですが、手で握って使用するだけではなく足にもつけることができます。足で使用すると下腹部を鍛えることができるので、これ1つで腹筋上下を鍛え、体幹力アップを実現できると思います。

【フィンガーグリップ】
■プラネットウェーブス ハンドトレーナー
https://www.amazon.co.jp/Planet-Waves-DAddario-プラネットウェーブス-PW-VG-01/dp/B001OCGGEM
■プロハンズ ハンド・エクササイザー
https://info.shimamura.co.jp/guitar/news/prohands-pro-series/

プラネットウェーブス ハンドトレーナーはバネを調節することで負荷を変えることができます。プロンハンズ ハンド・エクササイザ―は負荷の異なる5種類が展開されているので、自分のレベルに合ったものを選択することができます。

【パワーボール】
■パワーボール
http://powerballjapan.shop/

負荷の強さや回転数を示す機能などがついているモデル等、何種類かのバリエーションがあります。

3級・4級の壁を越えてボルダリングをもっと楽しもう!

ボルダリングは力が強いだけでは難しい課題を登ることはできません。

今回ご紹介した「ムーブ」を覚え、またそのムーブを起こすための「体幹」や「指の保持力」を鍛えることで、難しい課題へとレベルアップできます。是非今回ご紹介したトレーニングを取り入れて「4級の壁」を乗り越えていきましょう!

 

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